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森のお茶会

自分で決めたことなのに

突然自信を失うような気分になったり、不安で仕方なくなったりする。

言葉が通じない国をひとりぼっちで歩いているような感覚。

びくびくしないように見せることだけは得意になり、それが余計に落ち込ませる。 自分で決める幸せ。自分で進む幸せ。

道がないと思うのは、道を探しているから。

前を向いて足を踏み出せばいいだけ。

立ち止まらないために一休みする。呼吸をととのえたらまた歩こう。

ここは、私がリセットする場所。

「まぁ座ってくださいよ」

糸島に住むその人は、秋にパリで3つの写真展をするために光の通らない暗室にこもる日々が続いていた。焼き付ける紙まで自分で作る人だ。擦り切れた手を見て、写真の色や質感にまで自分の写真家としての血を確かめているように思えた。

「お茶しませんか」と電話があり、会いに行くと、大量の作品を渡された。

「決めかねているの」

その言葉に、胸が苦しくなる。

決めるのは勇気がいることだ。どんなに長く生きていても、経験を積んでも。

自分の心を定めるときは、『一人になるために』誰かを必要とするのかもしれない。

私も試されているときだった。招いていただけて、ありがたかった。

今日は少し薄いコーヒーと、おいしい紅茶、それに濃いコーヒーをいただいた。

「冷めてしまうよ」と2度言われた。時間を忘れて作品を見ていた。

いつも、帰り際に握手する。

「よい作品を」

言葉以上に心で交わした。

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