もっと豊かに。

最近、糸島の景色を描くとき人を入れたりします。というよりは、人がいるから絵にしようと思うことが増えました。糸島の自然、そしてその土地で暮らす人。美しい光景がそこにあります。

この絵は、糸島カントリーチェアさんでご主人がさくらんぼの実を採っているところ。自由に採って食べていいよと言われ、採っては食べ、採っては食べていたのですが・・・食いしん坊の私を見たご主人が仕事の手を止めて「どのさくらんぼがおいしいか僕はわかります」と言って真っ赤な実を選んで採ってくれました。

たくさんの木からログハウスや道具を生み出してきた職人の手。その中で宝石みたいに輝くさくらんぼ。

とても、とても美味しかったです。奥様からは２種類のさくらんぼジャムもごちそうになりました。

一つ一つの作品に、美しい景色と、出会った人との物語があると、もっともっと豊かな気がします。

この絵は深江の夕陽です。私が見た景色ではなく、深江でゲストハウスを営む女性が見た景色。

いつも、宿泊しているゲストさんたちと楽しく食事したり海へ行ったりしている様子をうかがっていました。ある日宿泊の準備をしているオーナーさんに会い、楽しい写真が生み出される影の苦労を見た気がしました。そんなオーナーさんが出会う深江の海はいつも美しいのです。

今年の春、私は糸島にある旅館のお手伝いを数週間させてもらったのですが、思っていた以上に大変でした。ゲストハウスと旅館では違うのかもしれませんが、「おもてなし」の心が試されるもので、とっても勉強になりました。そんな経験からか、この景色を思い出し、オーナーさんに描かせてもらえないかとお願いしたところ、「もちろんいいですよ～～」と快くいろんな景色を送ってくれました。

（写真はゲストハウスいとよりの玄関に飾っていただいている夕日の絵です。奥にいるのはオーナーさん♡）

私がテーマにしている「糸島の光」は、糸島の輝く「自然」と、輝く「人」です。

今までは自分が見た景色だけを描いていましたが、ほかの誰かの見た景色も描きはじめて、そんな自分自身の変化におどろいています。。

そんなふうに自分の作品や、自分自身も豊かになっていけたらいいなと思います。

そして見てくれる人の心にもその思いが届いたらうれしいな・・・

大切なことは目に見えるものだけではないから、心で感じてもらえるように一つ一つ自分の心に正直に、そして出会いを大切に描いていきたいと思います。