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ちょっとお茶でもしませんか


やらなければならないことがたくさんあるのに、なかなか思うように進まず、手を付けることもできなかったりしていました。

そのうち身体がチクチク・・・。

5月に入って、朝晩の気温の変化、雨が降った後の気温の変化(数日の間に気温差が10度以上)に身体が追い付かず、もともと弱い皮膚がピリピリ・・・。2日続けて皮膚科に行くことになってしまいました。

(1日目は炎症、2日目はヘルペス)

季節は変わっていくけれど、階段を順番に上るようにではなくて、波があるんだなぁ・・・気温も気分もグラフにしたらグニャグニャ荒波なんじゃないかと思います。

でもそれが自然。それが心。 あぁ、厳しい。

そして、皮膚科に行ってようやく皮膚は落ち着きましたが、心の方は病院でよくなるわけがなく・・・そんな時、やっぱり連絡をくれる方がいます。

それが、写真家のセルゲイ草柳さん。「ちょっとお茶でもしませんか。おいしい珈琲が届いたの。」

私が、「どこの珈琲ですか?」と聞くと、「あなたが来るまでに思い出しておきます」と言われました。

向かう途中、あまりの景色の美しさに何度も車を止めてしまい、しばらく見て寄り道をしました。

やっぱり5月は美しい。気温の変化もお天気の波もあるから、この景色が見られるんだ。

セルゲイさんは私を迎え入れるなり、「その帽子いいじゃない」と言ってくれました。

「これ、自分で刺繍したんです。最初に作ったのは失くしてしまったので2作目なのですが」そういうと、

「素晴らしいね!」と言って写真を撮っていました。そして、帽子を椅子の上に置こうとする私に、「そんなところに置いたら座ったときつぶれちゃうじゃない!上に置きなさいよ!」と怒ってました。

手作りのものをとても大切にしてくれる人です。

いつも、録音したいと思うくらいセルゲイさんとのおしゃべりは私にとってとても心に響きます。

「僕はね、ただ作りたいだけ。それだけなの」と何度も言っていました。

そして、私がゆるい感じで描きたいから気を緩めるという話をしたら

「それは違うんじゃないの?いつだって全力で、自分を出し切るの!あなたは気を引き締めても、ゆるいものは描ける」と。

私が知る糸島の中でも特に美しい海のそばで暮らしているセルゲイさんは、こんなに海が美しい季節も、暗室にこもってモノクロの写真を作り続けています。人に何を言われても、「ただ作りたいだけなの」と。

私の帽子が、セルゲイさんのアトリエに合っている気がして、写真を撮らせてもらっていると、横から

「いいね~。」と。 最初にした刺繍と違って二度目の刺繍はちっとも楽しくなくて、前の帽子が気に入っていたのでなんでなくしちゃったのかなとか思っていたのですが・・・なんだか2度目に作ったこの帽子にやっと愛着がわきました。帽子に、ハッピーエンドの物語ができた。笑

大阪の展示会から戻ってきたばかりの作品を見つめながら、セルゲイさんは「誰が何と言おうと、これが僕なの。僕の顔の洗い方だし、食事のし方なのよ。あなただってそうでしょう。そうなんですよ。絶対に。」と言いました。そして、その作品が売れたとき「ものすごく嬉しいんだよね」と。

私はしばらく筆を持っていないことや、やらなければならないことがたまっているのに何もしていないことを伝えると「何もしていないことも制作していることなの」と言いました。

それから、作りたいものをお互いに確認してお茶の時間は終わりました。

たくさん励ましてもらって、帰るころにはいつもやる気で漲る感じです。

珈琲はジャマイカの珈琲でした。

すっきりして、とても飲みやすかったです。

いつも、チーズを一緒に出すところがパリ流?

お庭に咲いているお花を少しもらってきました。

長く持たないかもしれないけど、次の作品の原動力になりそうです。

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