動くとき。進むとき。
先月末に認知症の祖母の入所が決まり、在宅介護生活が終わりました。バタバタと、母は入所の準備、私はそれまで受けていたサービスの片付け(書類など)をしながら、動くときはあっという間に動くのだな~と感じていました。
入所が決まったときは、ほっとしました。
ほんのちょっとだけ、寂しいという気持ちもあったけれど、蚊取り線香をこっそり見つけて食べていた祖母を見たときは、我が家にいたら危険!と思い直しました。
カサカサになった足に塗って上げようと買ってきた軟膏も一瓶なめて食べてしまったり。
味覚がなくなっても食欲はあって、しかも元気。お腹こわさないのかな~~。
羞恥心もないし、言葉の理解力も乏しくなりました。一日が洗濯で終わってしまうこともあったな~。オムツを変えてあげようとしたときに、買ってきたばかりの絨毯の上で失敗しそうになり、慌てて私は自分の服を広げて「おばあちゃん、ここよ!」なんて。
(絨毯を洗うより、私の服を洗うほうがずっと楽ですから)
そんなふうに、毎日が慌ただしく、大騒動でした。イライラするばかりで、なかなか笑える日がなかったような。それが、今になって面白くて笑ってしまうようなことばかりなのです。今日も一人で、クスクス。
そして、そのあとにやっぱり寂しいという気持ちもふつふつと・・・いや、さみしくない。さみしくない。と言い聞かせています。
祖母にはすぐに会える場所にいます。(洗濯物を取りに行ったり着替えを届けたりするのに週2日は家族で行くようになります)今のところ、穏やかに落ち着いているみたい。ぬいぐるみと一緒に。
気づけば6月。今年もあと半年です。個展を目標に、頑張って絵を描こう。描くに十分な時間はある。
慌ただしい時間が多いほど・・・たくさん身体を使い、感覚を使い、感情を使った時間こそが、私に絵を描かせる。おばあちゃんとの生活は私に豊かさを十分与えてくれました。
今ここにないものは必要なものじゃない。今ここにあるもので十分に私は私を生かさねば。
紫陽花が色鮮やかに、私を励ましてくれました。